介護施設について調べていると、各施設の特徴や入居する際の条件について気になることもでてくるでしょう。
この記事ではいくつかの条件をクリアした人が入居できるグループホームについて解説します。特徴や入居する際の条件のほかに、メリット・デメリットについても紹介しているので、介護施設を比較検討している人はぜひ参考にしてみてください。
グループホームとは？
認知症と診断された人を対象とした、少ない人数で生活するユニット型の施設がグループホームです。民間企業だけではなく、社会福祉法人やNPO法人などが運営しています。
専門的な知識を持ったスタッフのサポートを受けられるため、認知症改善を目的としながら自立した生活が可能です。別名、認知症対応型共同生活介護施設とも呼ばれています。
グループホームの入居条件
入居するための条件は次のとおりです。
- 65歳以上であること
- 認知症の診断を受けていること
- 要支援2もしくは要介護1以上の認定を受けていること
- 施設と同じ市区町村に住民票があること
グループホームへ入居する際には、以上のような条件が求められています。しかし年齢にかんしては若年性認知症と診断されていれば、40〜65歳でも入居可能としている施設もあります。
グループホーム入居の際にかかる費用
入居料金と月額利用料の2種類が発生します。入居料金は利用する施設によって変わりますが、数万円〜20万円ほどが一般的です。月額利用料は光熱費や食費、介護用品代、介護サービス費を含めた金額となります。
部屋のタイプは2種類
入居者が安心して過ごせるよう少人数で生活できる環境を整えているのがグループホームの特徴です。
部屋のタイプは5〜9人で共同生活を送るユニット型と、単独で生活できるサテライト型の2種類があり、ユニット型タイプの部屋には個室とキッチン、リビングがあり同じ空間で共同生活する環境が整っています。
参考：認知症グループホームとは | 老人ホーム・介護施設探しは【有料老人ホーム情報館】
グループホームで受けられるサービス内容
身の回りのことは自分で、可能な限り行うのが一般的です。能力に合わせて専門的知識を持ったスタッフがサポートします。グループホームで受けられるサービス内容は次のとおりです。
日常生活のサポート
入居者の買い物や食事、洗濯、掃除など日常生活のサポートをします。買い物はスタッフが一緒に行くこともあれば、スタッフだけで代行することもあります。
入居者の状況に合わせた身の回りのケア
入浴や食事、移動の見守りのほかに、必要であればトイレや各生活の介助も行います。スタッフが全てを介助するわけではなく、入居者の能力に応じてケアの方法を変えていくのが特徴です。
健康チェックや認知症ケア
体温や血圧などの一般的な数値測定、入居者の動きや言葉などから日々の健康チェックを行います。
認知症の人は些細な変化でも不安や悩みを抱えやすいのが特徴です。グループホームには専門スタッフが在籍しているため、入居者の精神的ケアも行えます。
グループホームを利用するメリット
認知症に対する専門的知識を持ったスタッフによるサポート体制が整っていることは、グループホームを利用するメリットのひとつです。ストレスを軽減しながら入居者の能力を活かしているグループホームは、認知症の人にとって過ごしやすい環境が整っています。
地域密着型である点もメリットといえるでしょう。施設がある市区町村と同じ住民票を持つ人しか入居できないため、入居者同士や地域住民とのコミュニケーションが取りやすいです。環境の変化を軽減できることから、入居者のストレスを抑えられます。
グループホームを利用するデメリット
介護施設を比較する際にはデメリットを把握する必要があるでしょう。主に発生しやすいデメリットは3つあります。
1つめは、住民票がある市区町村にグループホームが無ければ入居できないという点です。自宅との距離が近くても市区町村が違えば入居できません。
2つめは、少人数定員となっているため、望んでいる時期に入居できないことがある点です。地域によっては需要と供給のバランスがとれず、入居すら難しいこともあるでしょう。
3つめは、意図せず退去しなければならない状況があるという点です。入居者同士での円滑なコミュニケーションを重要視しているため、入居できたとしても暴言やトラブルなどが発生し、共同生活が不可能と判断された場合には退去を言い渡される場合があります。
グループホームの選び方のポイント
入居者にとってマッチした施設を見つけるためには、事前のリサーチが重要です。グループホームを選ぶときのポイントは次の項目をぜひ参考にしてみてください。
費用を把握する
まずは入居時の費用を把握しましょう。必要なのは入居時の一時金だけではありません。介護サービス費や日常生活費は入居者の身体状況によって変わります。長期的にシミュレーションして無理なく利用できる施設を選択しましょう。
複数のグループホームと比較する
施設内の雰囲気や重視しているポイントはさまざまなので、可能であれば複数のグループホームを比較しましょう。
また施設においてサポート体制が整っているのかを判断する基準となるのが、スタッフの定着率や人数です。グループホームではサポートスタッフは入居者3人に対して1人以上の配置が必要とされています。
必ず見学する
請求した資料やホームページだけでは、施設の雰囲気を知ることはできません。実際に見学して施設の状況や入居者の表情を確認しましょう。入居者の表情が活き活きしていれば、サポート体制が整った施設である可能性が高いです。
見学する際にはイベントやレクリエーション、食事のときなどなるべく多くの人が集まっている時期や時間にしましょう。施設の状況を把握しやすくなります。見学だけではなく、体験入居やショートステイを活用するのもおすすめです。
疑問点をリストアップして質問する
資料やホームページの内容、施設見学などで疑問に感じたことはリストアップしましょう。リストアップした内容はうやむやにせず、施設の責任者に質問して解決する必要があります。
施設に質問しづらい場合にはケアマネージャーや、老人ホームや介護施設の紹介をしているケアプロデュースに相談するのがおすすめです。ケアプロデュースでは関東エリア中心に全国1,000ホーム以上のパンフレットを設置し無料相談を受けています。
グループホームの特徴を理解して施設選びをしよう
グループホームとは認知症と診断された人を対象とした介護施設です。専門的な知識を持つスタッフが入居者をサポートしながら、心身ともに健やかな生活を送れる環境を整えています。
施設と同じ市区町村に住民票があること、認知症の診断を受けた人などいくつかの入居条件があります。グループホームの選び方のポイントなどを参考にしながら、入居者にマッチした施設を見つけましょう。
